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うつの治療法について

 
初診では患者の話から、どのような精神病であるか、病気の重度を判断します。



 

・投薬療法

 最も一般的な療法です。つまり、坑うつ剤を出してもらう治療法です。
 軽いうつや薬が合えば60%の確立で6ヶ月以内に復帰できるそうです。
 基本的には下記の投薬アルゴリズムに沿って、治療を進めます。

 うつ病治療の投薬基本的アルゴリズム
  1.比較的効果がありそうな抗うつ剤投与する。
  2.効果があった場合(効果がでるまで3週間かかりますが)は、そのまま投薬を続ける
  3.効果がない・副作用が強い場合は薬を変更します。1.に戻る
  4.レアケースですが、どうしても薬では回復が見込めない場合は、電気けいれん療法(頭に電気を流す)をする


 

・支持的精神療法

 カウンセリングも最も多く行われている療法。  患者さんの話をじっくり聞き、不安な気持ちを受け入れ、共感し、治療すればよくなることを話して気持ちを支持する療法。
 発病のきっかけや、患者自身のの気づき、どうすればよいのかをみつけられるように導く。

 

・対人関係療法

 患者の抱えている対人関係に焦点当てて行う療法。下記の4つのパターンに分けて、患者自身がうつの引き金に気づかせる療法。
逆説的に、下記の4つのパターンがうつの要因になります。 対人関係の欠如役割の変化自分の役割の変化になじめずにストレスを感じている
 1 対人関係の役割をめぐる不和それぞれの立場で、お互いに違うことを期待しているために生じる行き違い
 2 悲哀大切だった人との別れの悲しみが、いつまでも続いてしまっている
 3 誰にも心を開けず、自分の殻に閉じこもってしまっている
 4 

 

・認知療法

 物事の捉え方を正常に戻す療法。  うつ病にかかると認知に歪みが生まれやすくなります。
 具体的には、0/1で考えてしまう症状です。
 つまり、物事を「良い」「悪い」の2つでしか捉えることができなくなってしまうのです。
 もちろん、うつ病中は考え方がネガティブになっていますから、「悪い」と判断しやすくなります。
 さらに、ひとつの失敗で自己を全否定してしまいます。

 

・電気けいれん療法(電気無けいれん療法)

 頭に電気を流します
 他の治療法が有効でなかった場合や、自殺の危険性が高く救急性が高い場合に行われます。
 他の療法に比べて回復が早いメリットがありますが、再発率も高くなります。
 電気けいれん法とあるように脳に電気を流して、体がけいれんする治療法でした。しかし、現在は電気無けいれん療法が開発されました。これは、全身麻酔などを施してから電気を流すのでけいれんをさせないようにしているようです。
 一昔前は、けいれんによって骨が折れた例もあったそうです。


 

・電気パルス波療法

 コイルを使って電気パルス波で脳を刺激する方法。
 けいれんの心配もなく次世代治療法として注目されていますが、現段階では機器を保有している病院が少ないため、なかなか治療を受けることは難しいのが現状です。


 

・光療法

 冬季うつ病(冬季日照時間が減り、それをきっかけとしたうつ病。春になれば自然回復することも多い)向けの治療法。  壁や天井に蛍光灯を並べた部屋に入り2500ルクス程度の強い光を浴びる。

 

・ハーブ療法  伝統的なハーブの一種セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)のエキスを服用する療法です。  副作用の心配は少ないのが特徴です。  もちろん坑うつ作用があり、セロトニンの増強効果が認められています。  すでに25例の二重盲検試験が行われておりほとんどの例で、50%〜80%の有効性が認められています。

 

・ペットを飼う(個人的に効果があった)

 いわゆるペットセラピーです。
 治療法としては確立されていませんが、とあるうつの本でもペットを飼うことを進めていました。
 自分は猫を飼いましたが、確かに癒されます。

認知療法―精神療法の新しい発展 (認知療法シリーズ)

うつ病―正しい治療がわかる本 (EBMシリーズ)

 

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